KEEN UTILITY JAPAN PROJECT vol.8 [ KEEN UTILITY x DIVERSE LINES CLUB ]
DIVERSE LINES CLUB / Sachi Amano
FORCUS MODEL / SAN JOSE 6” AT
ースノーボードを始めたきっかけを教えてください。
天野「秋田県出身なので、小さい頃から親にスキー場へ連れて行ってもらうこともあり、雪が身近にありました。大学の頃にスノーボードの “表現する” という楽しさを知り、魅力にハマったのがきっかけです。」
ープロスノーボーダーとして活動をしながらDIVERSE LINES CLUB立ち上げた理由は?
天野「スノーボードで自然というフィールドでアスリートとして活動をしているなかで、地球温暖化、異常気象ということを身近に感じるようになりました。活動フィールドである自然を自分たちで守りたいという思いを持つアスリートが集まって、環境保全につながる具体的な方法として、持続的な森林経営というものに注目し、自分たちもスノーボードをしながらワークライフバランスが実現できるものとして、自伐型林業への取り組みを始めました」
ー具体的にはどんなことをされていますか?
天野「スノーボーダーやアルパインクライマー、地域の廃校を再利用したスケートパークを運営しているようなメンバーで、皆伐(全伐)とは違って、山の2割程度の木を切って、伐期の長期化をはかり、災害に強い持続可能な森をつくるということをしています。さらに、伐った木を薪にしたり、地域の【材】を地域に循環させる取り組みをしています」
ー立ち上げで苦労したことはどんなことですか?
天野「身近に同じような活動を生業にしている方がいなかったため、どこにも教科書がなかったことです。でも、教科書に載っていないことをするほうが、スノーボードと同じで“表現する”楽しさを感じながら作り上げていけるので、やりがいを感じています」
ーターニングポイントになった経験は?
天野「自伐型林業をやりたいな…、という気持ちで団体を立ち上げてから、カナダへ一年ほど行ったのですが、そこで感じたのが環境への意識の高さや自然との共生を大事にしている人が多いということ。日本に帰ったら、私もこんな意識を持った人たちが増えていくような活動をしたいと思いました」
ーDIVERSE LINES CLUBをやっていて良かったと思うことはどんなことですか?
天野「スノーボードでできた横のつながりに加えて、スノーボードと林業を掛け合わせて活動するようになったことで、ジャンルを超えた面白い人たちと出会えるようになったことです。たくさんの人に今まで知らなかった新しい世界を見せてもらっています」
ーアスリート達の雇用創出・自己実現のサポートへの思いとは?
天野「私自身がスノーボードをしながら、冬のために夏場は自分の時間が取れないほどアルバイトで働くという生活を毎年繰り返していました。DIVERSE LINES CLUBを立ち上げて、私自身が、大好きな雪山のために自由に夏の時間を使えるようになったことが、私にとって大きな変化でした。自伐型林業を組み合わせたライフススタイルを生き方の一つとして広めていきたいなと思っています」
ー林業の楽しいこと、辛いことを教えてください。
天野「楽しいことは仲間と共に自分たちのフィールドである自然のなかで表現できること。辛いことは常に自然の厳しさとも隣り合わせなこと。でも、楽しいことも辛いことも全部含めて、自然は私を成長させてくれます」
ー今後の展望や目標を教えてください。
天野「私たちが持続可能な森をつくることはもちろんですが、私たちのような取り組みを行う林業者を増やしていって、持続可能な森が全国に増えることを目標としています。また、林業をかっこいいイメージにして、オープンなものにしたいです」
ーKEEN UTILITYを履いた感想を聞かせてください。
天野「デザイン性がすごく高いので、林業の仕事に関わらず、アウトドアシーンでもおしゃれに履きこなせるので、重宝しています。つま先がアルミニウムトゥになっているので、作業中に石が転がってきたりしてもしっかり足を守ってくれるので、安心してワークシューズとして使えます。機能性も見た目も良いし、長く使えるという点で、仲間にもすすめていきたいです」
ー最後にひとこと。
天野 「私たちの表現で少しでも環境保全に目を向けてくれる人が増えてほしいと思っています。時代の流れに対応した持続可能な生き方というのを発信するアイコンのような存在であり、クルーとしてこれからも伝えていきたいです」
ーありがとうございました。
Profile
一般社団法人ディバースライン
代表 天野紗智
大学時代に “表現する” 魅力にハマりプロスノーボーダーの道へすすむ。雪山という自然のフィールドで活動をしているなかで、気候変動を肌で感じるようになり、環境保全の大切さを知り、2019年に一般社団法人ディバースラインを立ち上げる。その後、カナダへ渡り自然に対する考え方や森の活用について学ぶ。帰国後代表として本格的に始動。プロスノーボーダーとして活動しながら、林業に携わり、持続可能な森をつくり、人や社会、環境を豊かにする活動をしている。